消防設備点検は、人命を左右する重要な作業です。
オフィス等にも、消火器、スプリンクラー、火災報知器など、様々な防火・消防設備があり、有事の際に人命を守るために重要な役割を果たしますが、それらが正常に作動するかの点検も重要な事だというのはわかりますよね。
ただ、わかっていても日々の業務に追われている事も多く、意識しないとなかなか対応できない作業でもあります。また、管理者を任されても実際にどのようなことをするべきか把握できていないこともあるでしょう。
そこで、消防設備点検とは何か?具体的な条件や頻度など詳細をお伝えしていきます。
消防設備点検とは?
消防設備点検とは、消防法第17条で定められている法定点検制度です。
定期的な点検を行い建物を管轄する消防署又は出張所へと点検報告を行う必要があります。
もし、報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、消防法第44条に則り立入検査などの指導が行われます。
それでもなお報告がなかった場合には、30万円以下の罰金または拘留の罰則が課されることになります。
消防設備点検はどうすればいい?
次に記載する防火対象物の消防用設備等は、消防設備士又は消防設備点検資格者が点検を行うことが決められています。
①延べ床面積が1,000㎡以上の特定防火対象物
例えば、
などです。
これらの施設には不特定多数の人が出入りするため、火災発生時の円滑な避難が難しく危険性が高いとされています。
特定防火対象物の場合、後述する非特定防火対象物と比べて点検における報告の義務や設置する設備などの内容が異なります。
②延べ面積 1,000㎡以上の非特定防火対象物で、消防長または消防署長が指定したもの
例えば、
などです。
これらは特定防火対象物ではないものの、各地域の消防長・消防署長が必要であると判断した場合に消防設備点検が義務化されます。とはいえ、消防設備点検は安全管理上必要不可欠ですから、ある程度延べ面積がある場合は点検が必要と考えた方が良さそうです。
③特定一階段等防火対象物
延べ面積が1,000㎡以下でも、地下または3階以上の階に特定用途があり、階段が屋内に1か所しかない防火対象物は消防設備点検が義務づけられます。これは避難経路が一種類しか存在せず、有事の際のリスクが高くなるためです。
以上のいずれの条件にも満たない防火対象物については、防火管理者など対象となる建物の関係者であれば設備点検を行うことが可能です。
ただ、内容によっては専門的な知識・技能が必要なため点検が困難な場合もある他、点検時の安全なども考慮して決める必要があります。
消防設備点検の実施・報告が義務づけられている頻度は?
建物の用途や規模、構造などの条件に沿って、いずれかの頻度で定期的に点検報告を提出することが必要です。
人命に関わる大切な作業なので、日々の業務に追われる中でも意識して対応していきたいですね。